第4章 自分のドッペルゲンガーじゃなければ多分死なない。
一通りチラシを配り終えた銀時、新八、神楽の三人は、万事屋へと戻ってきた。葵咲は妙の家事を手伝う為、志村家へ帰った。
銀時「よーし。ビラ配りはこんなもんでいいだろ。後は万事屋(ココ)で待つのみ!」
そうして銀時はいちご牛乳、新八はお茶を飲み、神楽は酢昆布を食べながら誰かが来るのを待つ。すると数分も経たないうちに玄関のインターホンが鳴った。
銀時「お、早速きたのか?早ぇな。」
そう言いながら銀時は軽い足取りで玄関に向かい、扉を開けた。そこに立っていたのは沖田総悟だった。
総悟「ちぃーっす。」
期待して扉を開けただけに、銀時の気持ちの落差は激しい。
銀時「…なんだお前かよ。俺達ゃ今忙しいんだ。帰れ帰れ~。」
野良猫を追い払う時のように右手をひらひらと振り、銀時は部屋の中へと戻って行った。総悟も銀時の後を追って万事屋の中へと入ってくる。
総悟「このチラシ見たんでさァ。」
そう言いながら、先程電柱から剥がしてきたチラシを銀時の前に突きつける。
総悟「旦那、この娘、俺に下せぇ!」
銀時「ダメだダメだ!お前なんかにうちの娘はやれません!」
新八「ちょっと、なんか結婚申し込む彼氏とそれを断る父親みたくなってるんですけど。」
二人のやり取りを見た新八は思ったままの感想をツッコむ。
銀時「お前どうせアレだろ?あいつと姉貴を重ね合わせてるだけだろ。」
総悟「ぎくっ。」
総悟の思惑を銀時はお見通しだった。総悟は図星のようだ。
銀時「アイツは市村葵咲ってゆーの。お前の姉貴じゃねぇの。」
頭をボリボリとかきながら銀時は総悟に言ったが、総悟は引き下がらない。
総悟「そんなんじゃねぇやぃ。」
銀時「や、さっき明らかにぎくって言ったよね?」
総悟と銀時のやり取りから推測して、新八は銀時に尋ねた。
新八「葵咲さんと沖田さんのお姉さんって似てるんですか?」
銀時「んー…まぁ、結構似てるな。声とか髪型なんかは違うけど。」