第4章 自分のドッペルゲンガーじゃなければ多分死なない。
妙「あら、沖田さん。ゴリラならいないわよ?」
近藤を探しに来たと思った妙は、総悟に近藤がいない事を話す。だが今回総悟がここに来た目的は近藤探しではない。総悟は自分が会いに来た人物について、妙に聞いてみることにした。
総悟「あ、いや、近藤さんじゃなくて…ここに姉上…いえ、女がいるって聞いたんでさァ。色白で大人しい感じの、穏やかな顔つきの女…だと思うんだが…。」
葵咲に会った事のない総悟は、ミツバの雰囲気を言葉にして説明した。
妙「あら、情報が早いのね。流石は真選組ね、皆さん女好きなのかしら?」
総悟「そういうんじゃ…。」
妙は、男ってヤツはどいつもこいつも…そう思いながらも、いつもの営業スマイルで答えた。その時、志村家から葵咲が出てきた。
葵咲「じゃあお妙さん、私ビラ配りに戻りますね。」
妙「ええ、いってらっしゃい!」
葵咲の姿を目にした総悟は、近藤の言っていたミツバのドッペルゲンガーが葵咲である事に瞬時に気付いた。ミツバの実の弟でさえもそう思える程、葵咲はミツバに似ている顔つきなのだ。あまりのそっくりさに、総悟も土方や近藤と同様に、その場で固まってしまった。一方、自分の行き先を告げた葵咲は、総悟には特に何も話しかけず、そそくさと走って行った。その姿をぼーっと見ていた総悟だったが、ふと我に返り、葵咲の後を追いかけていった。
総悟「姉上…。姉上!!」
妙「あ、ちょっと!!」
妙には何が起きたのかよく分からなかったが、総悟に興味はなかったので総悟が走り去って行く様子を見て、家の中へと入っていった。
葵咲の後を追ってきた総悟だったが、葵咲の足は速く、見失ってしまうのだった。辺りをきょろきょろと見回したが、やはり葵咲の姿は見当たらない。その時、近くの電柱に先程銀時達が作成した葵咲の奉公先探しのチラシが貼られているのを見つけた。