第36章 クーリングオフがきかない商品もあるから注意しろ。
銀時達は席について談笑しながら持ってきたパスタやケーキを食べていた。それから少しの時間も経たないうちに、店の店員がチョコレートパフェを運んでくる。
葵咲「あれ?パフェなんてあったっけ?」
銀時「いや、あっちにはねーよ。ほら、これ。」
そう言って銀時はメニューを葵咲に見せる。チョコレートパフェやイチゴパフェ等、パフェも各種取り揃えられているが、どうやらこちらは別途注文で、料金が個別にかかるらしい。
パフェにもかなりの魅力を感じた葵咲だったが、一応今回は銀時の奢りという名目で訪れている。軽々しく注文なんて出来ない。かといって、このパフェだけ自分で払う、などと言うのもおかしいだろう。
葵咲はメニューを見ながら唸りを上げた。
葵咲「パフェ・・・・う~ん…。」
悩む葵咲を見た銀時は、自分の食べていたパフェをスプーンでひとさじ分ぐらいすくい、葵咲の目の前へずいっと差し出した。
銀時「一口食うか?」
葵咲がパフェの種類で悩んでいるものと勘違いしたのだ。実際のところ悩んでいた事情は違うのだが、目の前に差し出される美味しそうなパフェを目の前に、葵咲は目を輝かせた。
葵咲「えっ!いいの?」
銀時「ん。ほら。」
スプーンは手に持ったまま、すくったパフェを葵咲の口元へと近づける銀時。『あーん』のスタイルである。ちょっと恥ずかしい気もしたが、折角の好意を断るのもなんだ。…と、いうよりも目の前のパフェが魅力的で仕方がない。葵咲は遠慮せずに口を開けた。
葵咲「あー・・・・んんっ!?」