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銀魂 - 雪月花 -

第35章 ニート街道まっしぐらな奴ほどニートじゃないって言い張る。


これはもう確信をついたと言っても過言ではない。二~三時間の間、男と女が部屋に篭って二人きりでしていた“何か”。それは・・・?
実際は単なる事故で銀時が葵咲を組み敷いたその時、間の悪い事にその場に出くわした新八と神楽が、誤解して叫んだだけだったのだが、そんな事実を山崎が知るはずもない。
ただ自分が見たまま、聞いたままの事実を報告したのだが、山崎は別に葵咲と銀時の仲を疑ってはいなかった為、そこまで言った後で笑って言葉を付け加えた。


山崎「…ってまぁ大した事じゃないと思いますけどね。あの旦那に限ってそんな事は…。」


ブチッ。電話が突如切られる。最後に付け加えられた言葉が総悟達の耳に届いていたのかは定かではないが、そこで電話を一方的に切られてしまった。


山崎「え?ちょっと?沖田隊長!?・・・・・。」


血の気の引いていく山崎。自分の言った軽はずみな一言で銀時が危険な目に合ってしまうかもしれない。山崎は暫く自分の握っていた携帯電話を見つめた。


山崎「…旦那、殺されなきゃいいけど。」


だが、もう報告してしまった言葉を取り戻す事は出来ない。そしてさほど銀時に恩や義理があるわけでもないので、暫く考えた後には『まぁいっか。』で終わってしまう山崎なのであった。



携帯電話を一方的に切った総悟は、電話を土方に返しながら真剣な眼差しを向ける。


総悟「…土方さん。ここは一時休戦しやせんか?」

土方「フン。“敵の敵は味方”ってやつか?まぁいい。あの男が気に食わねぇのは確かだしな。」


総悟が何を言おうとしているのかを一瞬で察した土方は、携帯電話を左手で受け取った後、右手を差し出し、総悟と握手を交わす。


総悟「じゃあ同盟成立ってことで。」


硬く握り合った手と手。二人は黒い笑みを浮かべながら、再び銀時達の後を追った。
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