第35章 ニート街道まっしぐらな奴ほどニートじゃないって言い張る。
山崎「進展があったかどうかは分かりませんが、万事屋の旦那は毎日葵咲ちゃんのお見舞いに来てましたよ。」
土方・総悟「!」
山崎「高杉の件で万事屋に依頼して深く関わったからですかね?それから仲良く… ・・・・あっ!」
自分が見た事実に加え、自分の推察も加えて説明した。
だがその途中で何かを思い出したように、山崎は声を上げる。
総悟「どうした?」
山崎「あっ、いや…。」
山崎は至極言いづらそうに言葉を濁らせた。だが、じれったいといった様子で総悟は山崎を急かす。
総悟「何があったんでぃ?はっきり言えよ。」
山崎「えっと…これは凄く言い辛いんですが…。事件前日、葵咲ちゃんは万事屋を訪れてて。」
総悟「そりゃあ高杉の件で一芝居打つ為の打ち合わせだろ?」
なんだそんなことか。そう思った総悟は小さくため息をつく。その事実なら総悟も知っている。真選組を守る為に万事屋の力を借りに行った事を。
だが、山崎が言いたいのはそれではないようだ。山崎は言葉を押し出すように小声で言った。
山崎「そうなんですけど、その時、旦那以外の面子は留守だったみたいなんですよね。」
土方・総悟「!?」
てっきり万事屋三人で葵咲の話を聞いていたと思っていた土方と総悟。これは少し予想外の事実だ。しかも、話はそれだけではないらしい。
山崎「二時間、いや、三時間くらいかな。部屋で二人っきりで…。」
土方・総悟「!!?」
二~三時間も部屋で二人きり…。単なる友達なら別に何でもない事実なのだが、二人は葵咲と銀時の仲を疑っている。あらぬ方向へと妄想を巡らせてしまった。そして山崎は続ける。
山崎「そうこうしてたら新八君達が帰ってきたんですが、新八君達が部屋に入って間もなく、新八君の叫び声が聞こえて来たんですよ。」
総悟「叫び声?」
山崎「…『オメーは何やってんだァァァァァ!!』って…。」
土方・総悟「!!??」