第35章 ニート街道まっしぐらな奴ほどニートじゃないって言い張る。
二人のやり取りを見ていた土方達は、ムッとした表情で眺めている。そして総悟は自分が見たままの感想を恐る恐る土方にぶつけた。
総悟「…なんか葵咲と旦那、前より急激に仲良くなってやせんか?呼び方も“万事屋さん”から“銀ちゃん”に変わってますし。」
土方「・・・・・。」
土方は少し考え込んだ様子で唸りを上げ、そして制服のポケットから携帯を取り出した。そして総悟には何も告げずに短縮ダイヤルで誰かに電話を掛ける。
山崎「はい、もしもし。」
電話に出たのは監察の山崎だ。
土方「おい山崎。お前、葵咲が入院中ずっと張ってただろ?その時なんか変わった事、異変とかなかったのか?」
山崎「えっ、異変ですか?桂が襲撃に来た以外は特に…。」
前に報告したとおりだけどな。山崎はそう心の中で思ったが、口には出さなかった。すると土方は少し苛立ったような口調で言葉を足す。
土方「そういう事言ってんじゃねーよ。」
山崎「は?」
意味が分からない。土方の言いたい事を察せない山崎は、首をかしげて言葉を詰まらせた。そして土方もまた、どう説明して良いものかとしどろもどろになり、言葉を詰まらせる。
土方「…えっと…つまりだな・・・・。」
総悟「土方さん、ちょっと電話貸して下せぇ。」
もたつく土方の様子を見るに見かねた総悟は、半ば強引に土方から携帯電話を取り上げる。
総悟「おい山崎。入院中葵咲と万事屋の旦那に何か進展はあったか?」
山崎「えっ!?お、沖田隊長!?」
総悟「どうなんでぃ?」
急に出てきた総悟に山崎は少し驚いたが、問われた質問には自分が見たままの事実を告げた。