第4章 自分のドッペルゲンガーじゃなければ多分死なない。
近藤が恒道館道場から逃げ出して行った後、葵咲は近藤が何者なのかは分からなかったが、とりあえずバーゲンダッシュの入ったコンビニの袋を拾い上げ、冷凍庫に入れた。それから数分もしないうちに、妙が帰宅した。
葵咲「お妙さん、おかえりなさい。」
妙「ごめんなさいね、急にお留守番頼んじゃって。」
葵咲「いえ、むしろ皆に宣伝任せて私一人家でのんびりしてるのは申し訳なかったような…。」
妙「気にすることないわよ、むしろ全部やらせちゃいなさい。」
葵咲「流石にそれは…。」
葵咲は苦笑いで答えた。その後、ふと先程のバーゲンダッシュの事を思い出して、冷凍庫からバーゲンダッシュを出してきた。
葵咲「そういえばさっきお客様がいらしてコレ置いていかれましたよ。」
バーゲンダッシュを見た妙は、瞬時に誰が持ってきた物なのかを理解した。そして右手を自分の右頬にあてながら困り顔をして言う。
妙「あら、またゴリラが来たのね。市村さん、貴女もゴリラには十分注意した方がいいわよ。私程とは言わないけど貴女綺麗だから狙われたら大変。」
葵咲と妙がそんな会話をしていた時、ちょうど真選組屯所から走ってきた総悟が志村家の玄関前に到着した。そして息を整えてから、大声で叫ぶ。
総悟「ハァッ、ハァッ…。ごめんくださーい!!」
妙「はーい。」
総悟の声を聞いた妙は、玄関へと向かう。