第34章 トラウマを克服するのに必要なのは身近な人の温もり。
その後、近藤が九兵衛に八つ裂きにされた事は、ここでは省略する。
なんでこいつ等がここにいるんだ。そう思いながら土方は更に呆れた表情になる。
一つため息を漏らしていると、隣の部屋から物音が聞こえてきた。
土方「誰だ!出てきやがれ!!」
土方は隣の部屋の扉を空け、中にいる人物に怒鳴りつける。ちなみにこの部屋も病人はおらず、空き部屋となっていた。
銀時「げっ、見つかっちまったよ。しかもなんでよりによってコイツなんかに。最悪だなオイ。」
ふてくされた顔つきで出てきたのは銀時だった。銀時はベッドの下から這いずり出てくる。
土方「何やってんだテメーはァァァァ!!」
次から次へと出てくる見知った顔に、土方は苛立ちを見せた。
銀時「何って…かくれんぼに決まってんだろ。」
土方「決まってねーだろ!なんで夜の病院でかくれんぼ!?」
銀時「ホラ、あの、アレだ。なんかテンション上がんだろーが。」
土方「上がらねーよ!そりゃテメーだけじゃねーのかよ!!」
鼻をほじりながら土方の前に佇む銀時。その態度に土方は尚更キレた。土方は右手で銀時の胸倉を掴むが、銀時は物怖じするはずもない。
銀時「ごちゃごちゃうっせーな。俺が何処でかくれんぼしてようとお前にゃ関係ねーだろ。お母さんか。」
土方「誰がいつテメーのお母さんになったんだよ!ふざけんな!」
二人が病室内でいがみ合っていると、それを見かけた山崎が病室の外から土方に声を掛けた。
山崎「副長!そんなところで揉めてる場合じゃないでしょ!」
土方「! そうだった、早くあいつを探しださねーと!!」
土方は掴んでいた手を離し、病室の外へと駆け出していった。
その様子を見届けた銀時は、安心したようにフッと笑みを零した。