第34章 トラウマを克服するのに必要なのは身近な人の温もり。
神楽「さっちゃんに教えてもらった隠れ身の術、今こそ発揮する時アル!!ハァァ!!」
そうして出てきたのは、これまた同じくエリザベス奪還の為に屋敷に忍び込んだ際に使用したレンガ造り柄の壁だ。
案の定、これまたすぐに見つかる。
「なんだ!あそこだけアメリカ式になってるぞ!」
神楽「チッ、やるアルな。見つかってしまったアル。」
新八「こんなとこにレンガねーだろ!いい加減学習しろよ!!」
見つかるに決まっている。その事を声を大にして訴えかける新八。
都合の悪くなった神楽は、その矛先を新八にカウンターの如くつき返した。
神楽「新八こそやる気あるアルか?さっさと隠れるネ。」
新八「言われなくても今から隠れるわ!!」
その場に神楽を残し、新八は自分も何処かへと隠れるべく、走り去っていった。
ちょうどその頃、屯所で報告を受けた近藤や土方達も大江戸病院へと到着していた。到着した者達は別々の方向へと走り出し、それぞれで葵咲を探しにかかる。
土方は暫く院内を探し回り、たまたま遭遇した近藤へと声を掛けた。
土方「近藤さん!いたか!?」
近藤「いや…。」
もう時既に遅しなのか、葵咲は何処かへと連れ去られてしまったのか、はたまた、先日の高杉との抗争の時のように、自ら何処かへと行ってしまったのか。。
ただ単にかくれんぼしているだけという事実を知りえない真選組メンバー達には焦りが募る。
そこへ、周りから情報を集めてきた山崎が駆けつけた。
山崎「副長!どうやら病院の外に出た気配はないみたいです!」
土方「そうか、ならこの院内にはいるってことだな。」
ほんの少しだが安堵する土方。まだ油断は出来ない状況ではあるが、手遅れではないようだ。