第34章 トラウマを克服するのに必要なのは身近な人の温もり。
緊迫した真選組とは裏腹に、のほほんとしているのはこの者達。かくれんぼ参加メンバーだ。
参加者達は、それぞれ自分の隠れ場所を探そうと、院内を徘徊していた。
新八「かくれんぼなんてするの何年ぶりだろ。僕、こういうの得意だったんですよね。」
神楽「それはお前が地味すぎて見つからなかっただけじゃないアルか?」
新八「ちょっと神楽ちゃんんんんん!!否定出来ないのが悔しい…!!」
確信をつかれるその言葉に、新八は涙目になりながらツッコんだ。
神楽の方へと目を向けた際、新八の視界に妙なものが入り込む。
新八「ん?桂さん?ちょっと、何やってんですか。」
桂「桂じゃない、松だ。」
新八が桂の方に目を向けると、そこにあったのはいつぞやエリザベスが誘拐され、桂達と忍者として屋敷に忍び込んだ時と同じ。無理矢理松に似せようと片足を上げて佇んでいる桂の姿だった。(JC9巻六十八訓より)
新八「こんなトコに松生えねーよ!!つーか無理!前も言ったけど無理だから!ほとんど丸出しだから!!」
「やはりいたぞ!桂だァァァァァ!!!」
案の定、一発で見つかる。だが桂は何故自分が見つかったのか分かっていない様子だ。
桂「何!?この完璧な擬態を見分けるとは…。流石は真選組といったところか。」
新八「誰でも見分けられるわ!!」
真選組隊士は刀を抜き、桂目掛けて走ってきた。
「追えェェェェェ!!」
“逃げの小太郎”とは伊達じゃない。隊士が向かってきても、桂は顔色一つ変えずに冷静さを保っていた。
そして隊士が桂の近くまで走り寄ってきたその時、桂は煙幕を投げつけた。
桂「フハハハハ!こんな所で簡単に捕まる俺ではないぞ!さらばだ新八君、後は頼んだぞ!!」
新八「あ、ちょ、桂さん!!」
桂は煙が立ち込める中、窓から外へと逃げていった。
そしてパラシュートを開いて下降する最中、捨て台詞を置いていく。