第33章 長年染み付いた癖はなかなか直らない。
土方「…もう少しここにいてやろうか?」
葵咲「えぇっ!?いえ!帰って下さい!直ちに!!」
土方「どういう意味だそりゃあ。」
いられちゃ困るのだ。桂が本当に危なくなるから。思わず本音が出てしまった葵咲だったが、それじゃあまりにも怪しすぎる。土方も何かを疑うように葵咲に視線を向けた。葵咲は慌てて適当な言い訳を述べた。
葵咲「ほ、ほら!もうすぐ銀ちゃんも帰って来ると思うし!」
銀時が病室から出て行ってしばらく経つ。“すぐにすむ”と言った事もあり、そろそろ戻ってくる頃だろう。先程の葵咲の様子からして、何か“大事なコト”を言おうとしているのは確かだ。そんな大事な話をしている最中に戻ってこられるのも気まずい。そう思った土方はここは大人しく引き下がる事にした。
土方「…そうだな。」
葵咲「そう!だから!今すぐに!!」
土方「・・・・・。」
明らかに様子がおかしい葵咲だったが、土方は特に問い詰めはしなかった。土方は再び病室の扉の方へと足を向けた。
そして、部屋から出る前にもう一度葵咲に心配そうな顔を向ける。
土方「何かあったらすぐ携帯に電話掛けてこいよ。」
葵咲「…うん、ありがとう。」
桂「・・・・・。」
それ以上は何も言わずに、土方は部屋から出て行った。