第33章 長年染み付いた癖はなかなか直らない。
焦った二人は急いで桂を隠す。隠すというか、先程の神楽と同じように銀時が再び桂を窓の外へと追いやっただけだが。
桂「ゲフッ!ちょ、また外!?ベッドの下とかでいいんじゃないの!(小声)」
桂の意見は最もであるが、一度窓の外へと出てしまっては再び室内に戻って隠れる時間などない。すぐに病室の扉が開いてしまった。
桂、残念。室内に入ってきた土方は怪訝な顔をする。
土方「ん?お前ら二人だけか?他に話し声が聞こえた気がしたが…。」
葵咲「えっ!?い、いないよ!私達二人だけだけど!?」
鋭い土方の指摘に、二人は心臓が飛び出そうになる。葵咲は必死に誤魔化そうとするが、土方はじっと葵咲の目を見つめる。嘘を見透かされそうだと思った葵咲は、誤魔化す為に話を銀時にパスした。
葵咲「え~っと…そう、銀ちゃんってばモノマネが得意なの!さっきモノマネして声色変えてたからじゃないかな!?ね!スギちゃんが得意なんだよね!!」
(銀時:どんなパスの仕方ァ!?スギちゃんのモノマネなんかしたことねーよ!もっとマシなパスあんだろうが!!しかも微妙にチョイス古ィしィィィ!!)
明らかな無茶ぶりである。葵咲は誤魔化すことを丸投げするだけでなく、とんでもない爆弾を投下していったのだった。
だが、今更嘘ですとも言えない。土方の鋭い眼光に刺され、銀時は冷や汗を垂らしながら言葉を発した。
土方「・・・・・。」
銀時「…わ、ワイルドだろぉ~…。」
明らかに棒読みだ。
土方「全然似てねーじゃねーか!クオリティ低いにも程があんだろ!!」
そのクオリティの低さに、土方は思わず普通にツッコんでしまうのだった。