第30章 人間大事なのは肩書きじゃなくて、中身。
それから三日が経った。
ここは大江戸病院。外科の病室にて医師が診断を下す。
「全治三週間ってトコですかな。」
土方「・・・・・。」
葵咲「えぇー。三週間も動けないんですか?つまんないー。」
銀時「・・・・・。」
病室にはあの時現場に居合わせた総悟を除く六人が集まっていた。
ここは重症患者が集まるはずの個室病棟。葵咲は高杉と死闘を繰り広げたのだが、割と軽い診断を下された。
それは喜ぶべき事なのだが、あまりの軽い診断、医師との軽いやり取りに、勿論この男達は黙ってはいなかった。
銀時「オイィィィィィ!!全治三週間!?あんな死に際みたいな演出しといてたった全治三週間んんんん!?」
葵咲「演出じゃないよ!マジでしたーっ!!」
怒りながらツッコむ銀時に、ベーッと舌を出して反抗する葵咲。
土方「じゃあ何で眠るとか言ったんだよ!紛らわしいんだよ!!」
葵咲「なんで!?貧血で眠くなったから眠るって言ったんじゃん!勝手に勘違いしたのはそっちでしょー!?」
こちらも怒りながらツッコむ土方に対して、その時の状況を説明しながら反抗する。
睨み合う三人を前にして、男二人を宥めるように近藤が割って入る。
近藤「ま、まぁまぁ。葵咲が無事だったんだからいいじゃねぇか。」
銀時・土方「いいわけあるかァァァァァ!!!!!」
「病院ではお静かにィィィィィ!!」
二人の怒りはマックス。近藤にも火の粉が飛んだところで、医師の横についていた看護師の雷が落ちた。そう、病院内で騒いではいけない。
看護師が二人に静かにするよう重々注意した後、医師と看護師の二人は退室した。
土方「フンッ。」
近藤「あっ、トシ!何処行くんだ!?」
土方「煙草。」
イライラするのはニコチンが切れたせいもあるのだろう。土方はポケットに手を突っ込み、ふてくされたような態度で病室から出て行った。
葵咲はその背中を視線で見送り、いつもと変わらない情景に安心したようにホッと一息漏らす。
葵咲「相変わらずのヘビースモーカーですね。」
山崎「副長、葵咲ちゃんが目覚めるまでずっと我慢してたんだよ。」
葵咲「え?」