第28章 笑顔の裏には苦悩がある。
葵咲の事だから、歌舞伎町ビルが隣のビルだとは知らずに適当に書き換えたのだろう。
思わぬところで葵咲の天然具合が発揮されたところで、一同はビル内に無事突入。
だが、入ってすぐに六人は足を止めた。エントランスには大勢の攘夷志士が待ち構えていたのだ。その大勢の攘夷志士達の後方から声が上がった。
「や~っぱり俺ってば、こういう勘は鋭いなァ~♡葵咲ちゃんがあっちのビルの玄関に施錠してたからさァ。アンタ達は絶対こっちに来ると思ったんだよね~♡だからさァ、待ち伏せしちゃった♪アハハ。」
近藤「誰だ!」
近藤が声の主に問いかけるも、主は姿を現さない。あくまで一番後方で銀時達を迎え撃つつもりらしい。
「晋助と葵咲ちゃん、これからがイイトコ♡なんだから。邪魔しないでよねェ~。」
近藤「なにぃ!?奴め…葵咲と×××して×××させて××××するつもりか…!!」
新八「絶対違うと思います。」
×の箇所は勿論卑猥な放送禁止用語、下ネタである。
こんな状況でも頭の中がピンクな近藤に、新八は冷ややかな視線を送る。
「アンタ達が行ったらつまんないだろ?アンタ達はここでお終いだ。さて、六人でどこまでもつかな?」
男の声に応えるように、攘夷志士達は刀を抜いて構える。そして、土方達も刀に手を掛けた。だがその時…
銀時「六人じゃねぇ。」
土方達の前に、万事屋の三人が歩み出た。
銀時「三人で十分だ。」