第28章 笑顔の裏には苦悩がある。
銀時の話によると、葵咲はそのまま万事屋を後にしたとの事だった。
話を聞いた真選組の三人は青ざめ、その場に立ち竦む。
近藤「あいつ一人で…。まさか…!」
山崎「葵咲ちゃん、刺し違えるつもりなのか…!?」
土方「あのバカ…!!」
その場から一番に動き出したのは銀時だった。
銀時「さぁ、とっとと行くぞ。もたもたしてる時間はねぇ。」
土方「ああ。」
銀時の後に近藤、土方、山崎、そして新八と神楽も続き、葵咲と高杉の潜伏するビルへと向かった。
走っている最中、土方は銀時に静かに話しかける。
土方「なぁ。あいつの…行かなきゃいけない理由ってなんだ?真選組にいられなくなる理由って…。」
銀時は少し考え込むように言葉を噤み、そして土方の方に顔は向けず、前を向いたまま答えた。
銀時「…さぁな。聞きたきゃ本人に直接聞くんだな。」
土方「・・・・・。」
それ以上は土方も何も言わず、ただ前だけを向いて走り続けた。