第28章 笑顔の裏には苦悩がある。
報告書の事実を聞かされて新八がすかさずツッコむ。
新八「山崎さんからビル名聞いてるんじゃないですか。なんで覚えてなかったんですか。」
新八がツッコむのも当然だろう。この一件には万事屋が関与しているのでは?とヤマを掛けて早朝万事屋へと訪れた土方は、神楽と新八を問い詰めて白状させた。
だがその必要はなかったんじゃないのか。冷ややかな目をしてツッコむ新八を無視し、土方は続ける。
土方「だが、この報告書には珈琲の後が綺麗に無くなってやがる。誰かがご丁寧に差し替えたっつー証拠だ。」
新八「何都合の悪い事聞こえないフリしてんだよ。アンタバカだろ!珈琲のシミがない事ももっと早く気付けよ!!」
神楽「新八、諦めるネ。こいつら自分の非を認める気はないヨ。」
結局、新八のツッコミに対して土方が応える事はなかった。
山崎「あの日、葵咲ちゃんが万事屋に立ち寄ったのは、この事伝える為なんじゃないですか?」
あの日とは山崎が斬られた日の前日の事である。
その日、葵咲はフラリと万事屋を訪れていたのだ。真選組で仕事を始める以前から万事屋と親交のある葵咲だ。その為、山崎は特に注視していなかったのだが、今になって思うところがあったのだ。
近藤「観念しろ万事屋。きっちり説明してもらおうじゃねぇか。」
皆の視線が銀時へと集まる。銀時は片眉を上げて、右手で頭を掻いた。
銀時「…はぁ。わーったよ。ったく。アイツはいっつも何処か抜けてんのな!」