第27章 仲間とは最後まで信じ抜く覚悟があるかどうか。
銀時よりも先に葵咲に出会った土方。妙の家に世話になっていた際に葵咲を見つけた近藤。そして葵咲の元へと足しげく通った総悟。遅かれ早かれ、誰かが葵咲を見つけていた事だろう。
そして行く宛てのない葵咲、攘夷浪士に利用されがちな葵咲を守る為にも誰かが葵咲を匿う事を提案したに違いないと、土方は考えたのだった。
土方「責任があるとすれば部下を教育出来てなかった上司、つまり俺の責任だ。」
静かに告げられる自らの悔やみを銀時は静かに聞いていた。
そして少し考えるように下を向いた後、屯所の出口へと向かって歩き出した。
銀時「…なら勝手にしやがれ。俺もやりてーようにやるさ。」
屯所から出て行く銀時を見送った後、土方はその場にいる隊士達の方へと向き直った。
土方「・・・・・。今すぐに隊を組みなおす。決戦の準備だ。それから総悟、お前はこの件から外す。」
総悟「なっ!!何言ってんですかぃ!?俺は…!!」
まさかの一番隊隊長の任務除名勧告に、隊士達の誰もが驚く。ざわめきが屯所内を包んだ。
土方「行ってどうするつもりだ?市村を斬れんのか?」
総悟「っ!!」
その言葉に総悟はすぐに返答出来なかった。そしてそんな二人を暫く心配そうに見つめていた近藤だったが、やがて屯所の中へ入る為に足を進め、総悟の肩をポンと軽く叩いて総悟の横を通り過ぎた。
近藤「総悟、今回はやめておけ。」
近藤に続くように、他の隊士達も屯所の中へと入っていく。
玄関口のところに総悟一人が取り残された。
総悟「・・・・・。」
総悟は硬く拳を握り締めながら、ただただ地面を見つめていた。