第27章 仲間とは最後まで信じ抜く覚悟があるかどうか。
両手を挙げながら、葵咲は続ける。
葵咲「全ては明日。そう、アンタ達が調べてた“歌舞伎町ビル”でね。私もその準備に行かなくちゃ。今までここに置いてくれた、せめてものお礼に良い事教えてあげる。明日動き出すって言っても夜からだから。アンタ達も準備してから動いた方がいいんじゃない?十分すぎる程の時間でしょ。じゃあね。」
その一言だけを残し、葵咲は袖の中へと手を忍ばせて丸い丸薬のような物を取り出す。
そして次の瞬間それを地面へと投げつけ、辺りは煙に包まれた。煙幕だ。
土方「おい!!待て!市村ァァァァァ!!」
土方は煙を吸い込まないようにと顔の前に手をやりながら、片目を開けて葵咲の姿を探す。
だが、煙が晴れた頃には、そこに葵咲の姿はなかった。
土方「くそっ!!」
悔しそうに屯所入口の柱を殴る土方。それを見た銀時は少し申し訳なさそうな表情をした。
銀時「…悪ィな。これはあいつを真選組(ここ)に入れた俺の責任だ。俺がケジメをつける。どうせ罠だ。お前らは来んな。」
いつになく真剣な表情の銀時を見た土方は、銀時から視線を逸らしながら言った。
土方「何言ってやがる。高杉が絡んでる時点で引き下がれねーよ。それに、お前が紹介してようがいまいが、あいつの行き着く先はきっと真選組だっただろうよ。」