第27章 仲間とは最後まで信じ抜く覚悟があるかどうか。
総悟「・・・・だ。」
土方「?」
総悟「・・・・そだ。・・・・うそだ。嘘だ。嘘だ。嘘だ!!!」
出逢った当初から本当の姉のように葵咲の事を慕っていた総悟。これまでとは違って重ならない姉の姿に、信じられないといった思いが悲痛な叫びとなって木霊する。
これには土方も掛ける言葉が見つからず、何も言えずに総悟の方に目をやるしかなかった。他の隊士達も何も言う事が出来ず、その場に沈黙が下りる。
そしてその沈黙を破ったのは心無い葵咲の一言だった。
葵咲「・・・・・。沖田さん。私は貴方の姉でも何でもない。迷惑なのよ、そういうの。」
総悟「っ!!!」
誰もが疑うその冷徹な一言に総悟は目を見開き、固く拳を握り締めた。
そして銀時の頬にも一筋の汗が流れ落ちる。
銀時「もうこいつに何言ったって無駄だ…!!」
次の瞬間、総悟は叫びながら刀を抜き、葵咲へと向かって走り出した。
総悟「うわぁぁァァァ!!!」
近藤「待て!総悟!!」
近藤の制止など総悟の耳には届いていない。総悟は葵咲へと刀を振るうが、冷静さを欠いていた総悟の一撃は葵咲には届かなかった。
葵咲は総悟が走り出したと同時に自らも抜刀し、総悟の一太刀を払いのけた。それと同時に総悟は手から刀を落とす。
総悟「っ!!」
葵咲「心の乱れは刀の乱れ。今の貴方じゃ私には勝てない。」
しゃがみこむ総悟の頭上へと刃を向ける葵咲。
だが、同時に隊士達も刀を鞘から抜き、葵咲の方へとその刃を向けたのだった。
葵咲「!・・・・・。ちょっと待ってよ。私ここでやりあうつもりなんてないよ?」
葵咲は笑いながら刀を鞘へとしまい、降参するといったポーズで両手を挙げた。
だが、緊迫した空気は変わらない。それは葵咲がいつもの葵咲に戻ったわけではなかったからだ。