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銀魂 - 雪月花 -

第27章 仲間とは最後まで信じ抜く覚悟があるかどうか。


銀時から事件の全貌を聞き、愕然とする真選組隊士達。
勿論、銀時が目撃したのは後半から。この場で語り継がれたのは、葵咲が山崎に刀を振り上げていたところからであり、山崎の見た全てが語られたわけではないが、銀時の聞いた言葉の断片や状況で何となく状況を察したのだった。


土方「…桂だけじゃなく高杉とも繋がってやがったか…!」


状況は何となく把握出来たが、山崎がどうなったかが何よりも気になった近藤は焦った様子で声を荒げた。


近藤「おい!どういうことだよ!?じゃ、じゃあ山崎は…?」


慌てた様子の近藤を冷たい視線で一瞥する葵咲。そして薄ら笑いを浮かべながら言葉を放った。


葵咲「さァ。今頃瀕死の重症なんじゃない?私の刀には毒も塗ってたからね。」

近藤「な…に!?」


どんどん血の気をなくす近藤。近藤は脱力したように両手をぶらりと下ろす。その様子を見た銀時は少しでも安心させるように近藤に状況説明を付け加えた。


銀時「安心しろ、あいつなら今俺ん家で新八と神楽が診てる。確かに…こいつの言うとおり、容態は良くねぇがな。」


銀時の言葉を聞いた近藤は、ほんの少しだが安心したようにほっとため息を漏らした。そして葵咲へと向き直る。


近藤「どうしてだよ!俺達仲間だろ!?」

葵咲「私は仲間だなんて一度も思った事はない。」

近藤「!!」


冷たく告げられるその一言に、近藤は愕然と肩を落とす。
葵咲は腕組みをして前を見据えるが、その腕にはいつも身につけていたブレスレットはなかった。
土方が縁日でプレゼントしたブレスレット。縁日以来、仕事等で差支えがない限りは毎日左腕につけていた事を土方も知っている。自分が何気なくあげたブレスレットを大事にしてもらえていた事を土方も嬉しく思っていた。勿論、口が裂けてもそんな思いなど言葉には出来ないが。

ブレスレットが左腕から離れた事と、葵咲の心が真選組から離れてしまった事が重なる。土方は覚悟を決めた。
土方がいよいよ刀を鞘から抜き出そうとした時、微かに発せられた声に気付き、その手を止めた。
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