第26章 平穏な日々は長くは続かない。
総悟は少し考えた後、土方のもとへと訪れた。
総悟「土方さん、葵咲姉ぇは今回の件、外した方がいいんじゃねぇですかぃ?流石に高杉ヤツがかんでる事件は危険過ぎやす。」
土方「ああ、そのつもりだ。」
総悟の申し出を土方はあっさりと受け入れる。だが、逆にその事に疑問を感じた総悟は、その疑問を土方にそのままぶつけた。
総悟「じゃあなんでさっき葵咲姉ぇも呼んで話したんですかぃ?葵咲姉ぇは呼ばなかった方が…。」
土方の意見と行動は矛盾している。わざわざ葵咲に話す必要はあったのか?葵咲をこの件から外すのなら葵咲のいないところで話した方が良かったのではないか?それが総悟の見解である。
だがこの意見には別の人物が否定するように話に割って入った。
近藤「それは違うぞ、総悟。」
総悟「近藤さん。」
土方には食ってかかる総悟だが、近藤の言葉には素直に耳を傾ける。
近藤「葵咲にも隊士の一員として知る権利がある。それに、知らされてない事によって逆に危険が迫る場合があるだろう。知ってりゃ万が一に備えることも出来るが、知らなきゃ無防備になって心構えが出来ねぇ。特に今回の相手は高杉だ。葵咲にも用心しといてもらわねば、ヤツがどう出るか分からんからな。」
この世界を壊す為には手段を選ばない過激攘夷派、高杉晋助。その高杉に真選組隊士の中に何も知らされていない女性隊士がいると知られれば、それを利用され兼ねない。近藤や土方はそれを懸念しているのだ。
確かにその見解は一理あるので、総悟も納得した。
土方「ま、そういうことだ。近藤さん、俺ァ鬼兵隊の同行も調べる。」
近藤「そうだな、頼む。」
そうして三人は一先ず解散した。