第26章 平穏な日々は長くは続かない。
翌日、土方は隊士達全員を集めての会議を行なった。勿論、葵咲も呼ばれている。
土方「おいお前ら、よく聞け。近々高杉がデカイ反乱を起こすかもしれねーっつー情報が入った。場所は“歌舞伎町ビル”がキナ臭ェっつー話だ。正直言って、罠の可能性も大いにある。山崎が引き続き調査に入ってるが、お前らも聞き込みに回れ。」
それから隊ごとによる調査場所や役割を決め、会議は一先ず終了した。今回の案件は高杉が関わっているだけに隊士達の表情も暗い。葵咲の表情も暗く、険しいものだった。そんな葵咲の雰囲気に気付いた総悟は気遣うように声を掛けた。
総悟「葵咲姉ぇ、大丈夫ですかぃ?」
葵咲「ん?うん、大丈夫。」
いつもとは違う雰囲気の葵咲に、総悟はなおも心配そうに尋ねる。
総悟「どうかしました?」
葵咲「ううん、なんでもないよ。」
総悟「・・・・・。」
葵咲は総悟の問い掛けには笑顔を返したが、短く返事をしただけでそそくさと去ってしまった。