第23章 笑いのツボは人それぞれ。
葵咲が神威の後姿を見送っていると、葵咲に呼びかける人物がいた。
銀時「おい!!」
葵咲「あ、万事屋さん。それにそーちゃんも。」
声のする方に目を向けると、銀時と総悟が駆け寄ってきた。二人は葵咲を探している最中に出くわしたらしい。
総悟「葵咲姉ぇ!どうしたんですかぃ!?その格好…!」
真っ赤に染めたウエディングドレス。それは誰が見ても驚愕の姿である。だが、神威との出逢い云々をいちから説明する気になれなかった葵咲は、適当な説明で取り繕った。
葵咲「ちょっと、成り行きで。」
銀時「成り行きで血みどろの花嫁!?聞いたことねーよ!!」
葵咲の返り血具合をツッコむ銀時だったが、そんな銀時の言葉など総悟には届いていない様子だ。総悟は返り血の量よりもウエディングドレスを身にまとう葵咲に驚いている様子だった。
総悟「け、結婚式で休み取ったんですかぃ!?」
葵咲「あ、ううん違うよ。人違いでイベントに参加する事になって。私はまだまだ独身貴族だから!」
総悟「(ホッ。)とにかく葵咲姉ぇが無事で何よりでさぁ。」
人違いでドレスを着ていた事と、葵咲が無傷である事に総悟はほっと胸を撫で下ろしたのだった。