第22章 人違いはこじれてしまうとややこしい。
少し呆れた表情で咥えた煙草に火をつける土方。そんな土方を尻目に、近藤は温かい笑顔を見せた。
近藤「葵咲も今時の女の子って事だな。」
普段の葵咲は、自分の欲を表には出さず、仕事を優先する。
そんな葵咲の流行りもの、新しいものに興味を持つといった、今時の女の子の一面を見て、近藤はなんだか安心したのだ。その近藤の意見には、土方も少し納得した。
総悟「こうしちゃいられねぇや。俺ァ葵咲姉ぇの護衛に行ってきやす!ここは頼みましたぜぃ。」
そう言うや否や、突如駆け出す総悟。
土方「オメーはあいつと遊びてぇだけだろォォォ!!おいコラ!待て総悟!!勝手に持ち場離れてんじゃねェェェェェ!!」
土方の命令など聞かず、総悟はそのまま会場から飛び出して行ってしまった。後を追おうとする土方を近藤は引き止める。
近藤「いいじゃねぇかトシ。葵咲にもこの事は知らせてやった方がいいだろう。」
土方「まぁ、それもそうか。」
近藤に引き止められた土方は、近藤の言い分に納得してその場に残った。