第22章 人違いはこじれてしまうとややこしい。
イベント会場。
この会場は舞台仕様となっており、舞台の前には客席用のパイプ椅子が沢山並べられている。新郎新婦が舞台に立ち、紹介されるイベントなのだ。
この日開催されるウエディングイベントとは、この大江戸スカイツリーオープンを記念した最大のイベント。題して、“記念すべきカップル”。大江戸スカイツリーの建設開始日に付き合い始め、この日めでたく結婚する最高のカップルを皆で祝うというものだった。
正直、くだらないイベント内容であるし他人の結婚記念程興味のない物はないだろうが、この日はオープンという事もあり、大勢の人がイベント会場へと訪れ、開催前から客席は満席となっていた。
そんな沸きたった客達には似つかわしくない連中もこの会場に訪れていた。
近藤「おいトシ。本当にこんな場所で爆弾テロが?」
土方「過激攘夷派、暁党。奴らがかんでるっつー話だ。奴らの幹部に爆弾魔がいるらしい。」
総悟「まぁ確かに、これだけの人間が集まってんだ。過激派にしちゃ狙わない手はねぇでしょ。」
どうやら真選組は暁党が動くという情報を手に入れ、この会場に警備に来たようだ。
周りに不審者がいないか、目を光らせる真選組だったが、ふと何かを思い出したように近藤が声を上げた。
近藤「そういやァ今日は葵咲、振り替え休日だったよな。確かスカイツリー行くとか言ってなかったか?」
総悟「本当ですかぃ!?近藤さん!」
近藤「ああ。届け出した時そんな話してたぞ。」
土方「何やってんだあの女は。ミーハーか。」