第22章 人違いはこじれてしまうとややこしい。
気になった銀時は先程スタッフに渡された進行表に目を向ける。そのイベント内容の最後には“誓いのキス”という項目が含まれていた。
銀時「!? オイィィィィ!!ちょっと待て!マジでか!!お前らマジでいいのか!?コレェェェェェ!!」
控え室前の廊下で叫ぶ銀時。そんな銀時の叫びには答えずに、葵咲が着替え終わって控え室からひょっこり顔を出した。
葵咲「あっ、着替えましたよ。」
銀時「!!」
ウエディングドレス姿の葵咲。
その姿はとても美しく、銀時は思わず息を呑んで見惚れてしまった。銀時が控え室入り口の扉のところで棒立ちになっていると、着替え終わった神威も葵咲の控え室の方へと訪れ、銀時の肩越しに葵咲のいる控え室を覗き込んだ。
神威「俺も。おっ、なかなか綺麗なんじゃない?」
葵咲「えっ?ホント?ありがとー。」
二人がのんびりとそんな会話をしていると、先程のスタッフが様子を見に戻ってきた。
「おぉ!素敵ですよ!じゃあこちらにどうぞ!」
スタッフは二人をイベント会場裏手、舞台袖の方へと案内しようとする。葵咲に見惚れて固まっていた銀時は我に返り、二人を止めようとした。
銀時「(ハッ!) 待て待て待てェェェ!おい!俺の話聞けって!お前らァァァァァ!!」
だが、二人はスタッフに案内されるまま、イベント会場裏手の方へと歩いていってしまった。