第21章 遊びの計画は他人任せが楽で良い。
二人は団子屋へと訪れる。葵咲は満足そうに団子を頬張った。
葵咲「このお団子美味しくない?」
神威「うん、やっぱり地球の食べ物は美味しいネ。」
葵咲「でしょー!?」
今日一番の褒め言葉と言っても過言ではない神威の言葉に、葵咲は嬉しそうに笑顔を返した。
だがしかし、そう簡単にいくはずがないのがこの男。いつものニコニコスマイルで自らの意見を述べた。
神威「でもこれ、楽しいとはまた違うんじゃない?」
葵咲「…ですよねぇ~…。…って、あの。ちょっと、神威君?何皿目ですか。」
パクパクと団子を頬張る神威の姿を見て冷や汗を垂らす葵咲。神威の傍らには団子を平らげた後の皿が積み上げられている。
神威「五十皿目。」
葵咲「いや、『五十皿目。』じゃなくて。どんだけ食べんの。わんこそばじゃないんだけど。ちょっと!聞いてる!?神威君!神威君んんんん!!」
普段はボケ役の葵咲だが、この時ばかりはツッコミ役へと転じた。葵咲のツッコミなど物ともせず、なおも団子を頬張る神威。
そんな神威に葵咲は恐る恐る尋ねた。
葵咲「…つかぬ事聞きますが…神威君、お金は?」
神威「持ってないよ。今日はお姉さんに付き合ってるわけだから。お姉さんがここの御代も払ってくれるんでしょ?」
眉一つ動かさず、ニコニコと答える神威。神威を戦闘以外で楽しませる。自分から言い出した事ではあるが、思わぬ多大な出費に葵咲は自らの発言を後悔した。
葵咲「…で、ですよねぇ~…。」
ちーん。
葵咲は泣く泣く会計を済ませ、財布の中を覗く。財布の中はほとんどカラになっていた。
神威「で?次は?どうするの?これで終わり?」
葵咲「えっと~…そうだなぁ…。」
映画館に動物園、オススメの団子屋と来て、次はどうするか。葵咲は考えを巡らせるように右手を顎に当て、上の方に目をやった。考え込む葵咲を見て神威は思う。
(神威:だんだん飽きてきちゃったし。この女ここで殺しちゃおっかなぁ~。そこそこ腕は立つようだし、それなりに楽しめそうかな。)
無防備な葵咲に攻撃を仕掛けようとしたその時、何か重大な事を思い出したように葵咲が叫んだ。