第2章 個人情報を守れれるのは己のみ。
攘夷浪士は土方の背後にいた為、土方はわずかに反応が遅れた。致命傷は避けられても、怪我は避けられない。ちょうどその時銃撃者の元から戻ってきた銀時だったが、土方までの距離はまだ遠い。こちらも間に合わない。そんな危機的状況で、その太刀を受けた者がいた。葵咲だ。その様子を見た銀時は、思わずその場で足を止めた。
土方「!?…お前!!」
敵だと認識したはずの葵咲が自分を庇う理由が分からず、土方は葵咲の方をただ見つめるしか出来なかった。
葵咲「私が原因なら刀をお納め下さい。」
「何を…!」
その様子を見た桂は、攘夷浪士に静止をかけた。
桂「やめろ。」
「ですが桂さん!」
攘夷浪士の問いかけには答えず、桂は土方に話しかけた。
桂「今日のところはこれで引いてやる。ちなみにこの女は攘夷活動とは無関係だ。昨夜は俺が個人的にボディガードを依頼しただけのこと。」
葵咲「桂さん…。」
桂「依頼主本人が明かす分には何も問題なかろう?」
桂は葵咲の顔を見て微笑み、サラバ!と少し時代遅れの台詞を残して去って行った。
一方、土方達がやり取りしている場所から少し離れた所で見ていた銀時も、その様子を見て安心したのか、土方や葵咲に声をかけずにその場を後にした。