第20章 下心は知らないうちに懐に忍び込む。
またもや喧嘩が始まりそうな二人を宥めたのは近藤だった。
近藤「まぁまぁ、たまにはこういうのもいいじゃねぇか。」
山崎「そうですね。こんなおかしな面子の七人で飲むなんて、なかなかない機会ですもんね。今日は花火でも見ながら、パーッとしましょう!」
そうして七人は、葵咲の示す居酒屋へと向かう為に、本堂の入口へと足を向けた。
近藤「あっ!新八君!お妙さんも呼んだらどうかな!?」
新八「呼びません。近藤さん殺されますよ。」
先頭を歩く近藤、新八、山崎。そのすぐ後ろを歩く銀時が何かを考え込むように、頭を掻きながら言った。
銀時「つーか俺達、なんか忘れてね?」
神楽「忘れてしまう事なんて些細な事アル。気にする事ないネ。」
銀時「それもそうだな。」
忘れた事を思い出そうと、一度頭を抱えた銀時だったが、神楽の発言でそれをすぐさまやめた。
近藤、新八、山崎、そして銀時、神楽の歩く後を追おうとする葵咲。だがそれを土方が呼び止めた。
土方「市村。」
葵咲「?」
呼ばれて葵咲は土方の方へと振り返った。土方は少し言いづらそうにしながら、言葉を押し出すように言った。
土方「・・・・・これ、やるよ。」
葵咲「えっ?これって…。」
土方「さっき屋台で見てたろ。」
そう言って土方が差し出したのは、オレンジと透明の少し大きめのビーズであしらわれたブレスレット。普段の葵咲の服装に似合いそうなアクセサリーだった。
土方はいつの間にか、最初に訪れたアクセサリーを売っていた屋台で、葵咲が見ていたであろうアクセサリーを買っていたのだ。
そして受け取ったブレスレットを見つめながら、葵咲が口を開いた。
葵咲「・・・・・土方さん。」
土方「別に金も礼もいらねぇからな。」
照れ隠しに目を逸らしながら土方は言う。