第20章 下心は知らないうちに懐に忍び込む。
葵咲「あっ、もしかして高橋さん家のツトム君ですか?ちょっと見ないうちに大きくなって。」
浪士「ツトム君って誰ェェェ!違うわボケェェェ!!つかどう見てもお前より俺の方が年上ェェェ!」
今度は適当に相手に話を合わてみたのだが、それもやはり違っていたようだ。
顎に手を当てて温かい目で見守ってみたのだが、逆効果だったようだ。完全にこの男を怒らせてしまったようである。
浪士「てめぇにはその罪、死で償ってもらうぜ。」
葵咲「詩とか書いたことないんで…出来るかな。」
浪士「その詩じゃねーよ!!」
葵咲「『過去の事は忘れたんだなぁ。だって人間だもの。きさを』」
浪士「やかましいわ!みつを風に言ってんじゃねェェェ!!お遊びはこれまでだ!!死ねェェェェェ!!」
そう言って数人の浪士達は抜刀する。葵咲も応戦しようとするが、今日は刀を持っていない事に気が付いた。完全に休日気分で屯所を出てきた為、短刀すら持ち合わせていない。
葵咲は柔道や合気道の心得もあるが、相手は大の男数人、しかも刀を持っている。体術だけでどこまで通用するだろうかと考えながら構えたその時だ。二人の男が浪士達の背後に現れた。
銀時「おいおい、ナンパの台詞にしちゃあ、ちょっとイカツすぎんじゃねぇの?」
土方「女口説くんなら、もっとマシな台詞用意しろ。」
葵咲「万事屋さん!それに、土方さんも!!」
銀時・土方「楽しい祭の邪魔してんじゃねェェェェェ!!」
「ぎゃあァァァァァ!!」
銀時と土方は一気に浪士達を片付けた。