第20章 下心は知らないうちに懐に忍び込む。
葵咲は土方の上へと倒れこみ、その拍子になんと、唇を重ねてしまったのだった。
土方・葵咲「!!!!!」
葵咲「あっ…ご、ご、ご…ごめんなさいィィィィィ!!」
驚いた葵咲は、慌てて起き上がり、顔を真っ赤にしてそのまま店の外へと駆け出して行ってしまった。
土方「あっ!おい!!」
急いで葵咲の後を追いかけようとした土方だったのだが、それを制したのはこの男だ。
銀時「公衆の面前で何やってんだてめェェェ!!こんな場所で女押し倒してんじゃねーぞ!!欲求不満にも程があんだろうがァァァ!!」
土方「何処からどう見たらそうなるんだよ!?逆だろ!俺が押し倒されたんだろうが!っつーかどう見てもただの事故だろコレェェェェェ!!!」
銀時は完全に頭に血が上っているようだ。土方の言葉に耳を傾ける気配は微塵もない。
そして、先程の事故を目撃した近藤も、思わずこの場に出てきてしまったのだった。
近藤「ちょ、トシィィィ!?何やってんだよ!いくらなんでもこんな…人前でなんて…!!破廉恥ですゥゥゥ!!」
土方「てめぇは黙ってろやァァァ!!」
山崎「…で?どうでした?感触は。」
そして山崎もこの場に来て、土方のすぐ傍で右手を口元に添えてこっそりと話しかけた。
土方「柔らかかっ…って何言わせんだコラァァァ!!」
突如横に現れた山崎に、思わず真面目に答えそうになってしまった土方。