第19章 トゲトゲしてるだけで、何か強そうに見える。
そしてカマをかけるように、更に意見を付け加えた。
土方「んな事言って、てめぇらただ単に俺を見て楽しんでるだけなんじゃねぇのか?」
近藤・山崎「ぎくぎくっ!!」
どうやら二人は図星のようだ。一気に二人の顔色が変わり、冷や汗を垂らしながら言った。
山崎「ななな、何言ってんですか副長!」
近藤「そうだよ!!お前らがくっついたら面白いのになーとかこれっぽっちも思っちゃいねぇよ!!」
山崎「わーっ!バカーーーっ!!」
土方「やっぱりそうなんじゃねぇかァァァ!!っつーか、んな事あるわけねぇだろコノヤロー!次またくだらねぇ事言ったらマジでたたっ斬るぞ!」
バカ正直な近藤は嘘を隠すのが下手だ。山崎が止めようとしたのも無駄に終わり、結局二人の娯楽も兼ねているということが土方にバレたのだった。
状況を把握した土方は、話を元に戻し、真剣な顔つきで二人を見ながら言った。
土方「…まぁいい。状況は分かった。なんとしてでも今日中にカタをつけるぞ。」
近藤「おう、頑張れよ、トシ。本堂の裏手に星空が綺麗に見える絶景スポットがある。告白ならそこが一番オススメだぞ。」
こちらも真剣な表情だったのだが、話の内容はズレていた。近藤は尚も土方と葵咲をくっつけようとしているらしい。
土方「何の話してんだてめーはァァァ!高橋残党の話だバカヤロー!」
そんな土方のツッコミは無視し、近藤は何やら自分の懐を探り出した。
近藤「これを持っていけ。何かの役に立つかもしれん。」
土方「ん?」
そう言って近藤は懐から“何かの役に立つもの”を土方の目の前に差し出した。それはコン●ームだった。
土方「…って何考えてんだてめェェェ!!何かの役にって使い道一通りしかねーよ!んな展開にゃならねぇっつってんだろうがァァァ!!」
近藤「あっ、間違えた。それじゃなかった。あれ?どこいった?」
そう言って近藤は半ば強引に、一度土方にコン●ームを手渡し、再び懐に手を突っ込んで本当に渡そうと思っていた物を探し始めた。