第19章 トゲトゲしてるだけで、何か強そうに見える。
山崎「でも万が一の時の事を考えて、念の為に副長に頼んだってわけです。今みたく背後の視線にも気を配れるでしょうし、何かあっても葵咲ちゃんを護ってくれるだろうって思いまして。」
土方「そりゃあ俺じゃなくて総悟でも良かったんじゃねぇのか?」
なんで俺が駆り出されているのだ、葵咲を心底慕っていて、尚且剣術の腕も立つ総悟では何が不満なのか?そう疑問に思った土方は、思ったままの意見を述べた。だが、それには少し呆れ顔で近藤が答えた。
近藤「あいつに任せたら浮かれすぎて周りなんか見えなくなるだろう。」
土方「・・・・・。」
確かに総悟なら浮かれすぎて周りが見えなくなる可能性がある。近藤の意見を聞いた土方は、それもそうかと思い納得しかけたのだが、ふと気付いたことを口に出した。
土方「ってそれならせめて俺に知らせとけよ!?」
山崎「副長にも休日を満喫してもらうつもりだったんですよ。」
近藤「それに敵を騙すには、まずは味方からって言うだろ。」
山崎の意見は分からなくもないが、近藤の意見には少し疑問が残る。その意見に対しては土方は速攻ツッコんだ。
土方「いやいや、それ使いどころ間違ってんだろが!何考えてんだてめーら。俺も気付かなかったら護るもへったくれもねぇじゃねぇか!!しかも縁日って。こんな大勢の人間いたら危険だろうが!」
近藤「他の奴らが盾になっていいかなーって。」
土方「アホかァァァ!警察が一般市民盾にしてどうすんだよ!」
山崎「俺達、葵咲ちゃんを守りたいだけです!」
土方「まず職務を守れェェェェェ!!!!!」
真選組としての職務を捨てようとしていた二人を、土方は一括した。