第19章 トゲトゲしてるだけで、何か強そうに見える。
そんな様子を近からず、遠からずの距離で見守っている影があった。勿論この二人だ。
近藤「何やってんだトシのやつ、あれじゃあ葵咲のハートは射止められんぞ。」
山崎「局長、趣旨変わってます。早く奴らの尻尾を掴まないと…。」
木の茂みに隠れてコソコソと話していた近藤と山崎だったが、二人が土方と葵咲から少し目を離したその隙に、二人の背後にとある男が立ち、二人に声を掛けた。
「おい。奴らって誰だ?」
山崎「奴らってのは…って副長ォォォ!!いつからそこにィィィ!?」
そう、木の茂みから視線を感じた土方は、すかさず二人のもとへと訪れたのだった。
土方「な~んか視線を感じると思ってたら、やっぱりテメーらか。昨日からどういうつもりだ。返答によっちゃ切腹させんぞ。」
そう言った土方の怒りは頂点に達しているようだ。『切腹させる』と言っているが、その手には刀を鞘から抜き出そうとしていた。
近藤「切腹っつーかお前が斬る気満々じゃんんん!まっ、待ってトシ!!説明する!説明するから刀しまってェェェっ!!」
仕方なく、近藤と山崎の二人は、事情を土方に話したのだった。