第17章 賃金の発生する仕事には必ず契約書を。
一方、葵咲を追ってビルに潜入した銀時だが、浪士との戦闘によって葵咲の姿を見失ってしまったのだった。
銀時「あいつ…何処行きやがった!!」
銀時が葵咲の姿を探してビル内を徘徊していると、そこに同じく葵咲と子供を探していた土方に遭遇した。
土方「おい、市村は!?」
銀時「見失っちまった!」
土方「くそっ!!」
二人が遭遇した場所は、ビルの五階。ちょうど子供が泣いていた場所あたりだ。その事に気付いた銀時は辺りを見回す。
銀時「だがこのへんに確か…。」
「ガキがいたぞ!!」
銀時達が見つけるよりも早く、先に攘夷浪士が子供を見つけてしまったようだ。銀時と土方は急いで声のする方へと駆け出すが、少し遅く、攘夷浪士が子供に拳銃を向けて発砲してしまったのだった。
「殺せェェェ!!」
「うわぁぁぁぁぁぁん!!」
二人が間に合わない、そう思った時に、子供へと向かって飛び込み、子供を抱きかかえながら地面に転がり込む者の姿があった。葵咲だ。
葵咲「ぼく、大丈夫!?怪我はない?」
「あ…うん。」
先程までずっと泣いていた子供だが、葵咲の優しい笑顔を見て泣き止んだ。
「なんだてめぇ!!…その服装は…!」
突然現れた女に刀や銃を向けて交戦しようとする攘夷浪士だが、葵咲の服装を見て、葵咲が何者であるのかを瞬時に悟った。その様子を見て葵咲は立ち上がり、子供の前へと出て攘夷浪士に向き直る。子供はひっしと葵咲の足にしがみついた。そして葵咲は攘夷浪士に向かって叫んだ。
葵咲「真選組です!!大人しく…5000万円よこしなァァァ!!」
「ええぇぇぇぇ!?そこは普通、神妙にお縄に付けェェェ!じゃね!?どっちが悪党か分からないんだけどォォォ!!」
予想だにしていなかった葵咲の発言に、攘夷浪士は思わずツッコむ。そんな攘夷浪士には構わず葵咲は淡々と続ける。