第16章 天然パーマの奴から巻き上げろ。
違反者から罰金を受け取り、車に乗って去っていく様子を見送ると、葵咲は土方の方にどや顔を向けてピースサインを送った。
葵咲「ほら、分かってくれた。」
土方「お前ぇも似たようなもんじゃねぇかァァァァァ!!つか器物破損してる時点でお前の方がアウトだろ!」
葵咲「修理代は経費でお願いします。」
土方「下りるかァァァ!無駄に経費使ってんじゃねーよ!」
葵咲「無駄じゃないですよ、必要経費です。」
土方「毎回修繕費出してたらいくらかかんだよ!?どんだけ金あっても足りねーわ!!」
話半ばで何かを見つけた葵咲は、土方の話を遮って自分の見つけたモノへと指差しながら言う。
葵咲「そんな事言ってる場合じゃないですよ、副長。ほら、あそこに牛乳パックポイ捨てしてる人が!」
土方「話そらしてんじゃねェェェェェ!!」
土方のツッコミは無視して葵咲は走り出す。道端に捨てられた牛乳パックを拾って、ポイ捨てした者に後ろから声を掛けた。
葵咲「ちょっとそこの貴方…」
銀時「ん?…お。」
振り返ったその男は、腰に木刀を下げた銀髪の侍、坂田銀時だった。
葵咲「万事屋さん!お元気ですか?」
銀時「まぁ見てのとおりだ。その制服なかなか似合ってんじゃねぇか。ショートパンツタイプになったのか?」
銀時は自らの右手を顎に当てて、葵咲の制服姿を眺めながら言った。
葵咲「いえ、結局両方頂きました。多数決では戦闘も考慮するとショーパン派が多かったみたいなんですけど、松平長官はミニスカ派だったみたいで…。正式な式典とか、松平長官に会う時は絶対ミニスカ着用って言われました。」
銀時「おいおいオッサンの下心丸出しじゃねぇか。それセクハラで訴えれんじゃね?」