第16章 天然パーマの奴から巻き上げろ。
そして葵咲は意を決したように左手を背中に、右拳を自らの左胸にあてて言った。
葵咲「心臓を捧げよ!!」
土方「何処に進撃するつもりだァァァァァ!!事故る気満々じゃねーか!捧げるかァァァ!!」
葵咲「ささ〜げよ、ささ〜げよ、し〜んぞうをささ〜げよ〜♪」
土方「じゃかーしぃわァァァァァ!!」
葵咲「屯所の壁の外に出る事、すなわち壁外調査でしょ。」
土方「いや確かに壁外調査だけど!巨人になんか遭遇しやしねぇよ!!」
葵咲「分からないですよ~。巨人に遭遇するかもしれない。運転はかもしれない運転…」
土方「かもしれない運転はもういいっつってんだろ!お前全然初会の教訓活かされてねぇじゃねーか!あの時屯所帰るまでにどれだけ時間かかったと思ってんだよ!!」
葵咲「まぁそれは一つの例えですよ。今回は大丈夫ですって。」
そう言ってなおも運転席に座ろうとする葵咲の腕を掴みながら、土方は叫んだ。
土方「今回『は』って何!『は』って!!ちょ、マジやめて!お願いだから!300円あげるからァァァ!!」
そこまで言われて、葵咲は300円を貰って渋々助手席へと座った。