第15章 男は女に転がされるぐらいがちょうど良い。
その日の稽古が終了し、隊士達はぞろぞろと道場から出て行く。葵咲もそれに続いて道場を後にした。
道場を出て縁側を少し歩いたところで、土方が葵咲に声を掛けた。
土方「おい。なんでさっき手ェ抜いた?」
声を掛けられた葵咲は足を止め、振り返りながら言った。
葵咲「なんの話です?」
土方「とぼけんじゃねぇよ。わざと自分の動き教えるような真似しやがって。」
睨みつける土方に対し、葵咲は笑いながらとぼけるように言った。
葵咲「さァ。私には何の事だか。」
土方「・・・・・。」