第15章 男は女に転がされるぐらいがちょうど良い。
だが、隊士の意見は、土方の想像していたものとは違っていた。
「それじゃあ勘定方とかの仕事がある分、葵咲ちゃんが仕事量過多じゃねぇっすか!」
その意見を聞いた他の隊士が、次々と意見する。
「そうだそうだ!!逆に不公平だ!!」
「もっと考慮するべきだと思います!」
「見回りだけでいいと思います!!」
「いや、むしろいてくれるだけでいいと思います!!」
「いてくれるだけでオアシス職に就いてます!!」
取り越し苦労だった事に加え、むしろ不抜けた意見に土方は脱力した。
土方「・・・・・。マイナビ転職にでも登録すっかな。」
ぼそっと呟いた土方には構わず、今度は葵咲が隊士達に自分の意見を話した。
葵咲「皆さん有難うございます。ですが、それはダメです。お心遣いは嬉しいですけど、私は危険な任務だからって辞退する気はありません。仕事は請け負った以上、何でも全うしますよ。」
山崎「でもそれじゃあ君が危険な目に…」
葵咲「退君。退君が稽古で勝てなかった相手は誰?」
山崎「えっ、いや、確かに今まで一度も葵咲ちゃんに勝てたことないけど!」
山崎をからかうようにクスクス笑いながら話す葵咲を見ながら、土方は少し前の出来事を思い出した。
(土方:…確かにこいつの腕は申し分ねぇ。)