第15章 男は女に転がされるぐらいがちょうど良い。
土方「まぁ…そういうわけなら別に構わねぇが…。」
近藤「今日から隊士とは言え、葵咲は女の子だからな。危険な任務には就かせられない。だからその分、今までどおり勘定方や栄養管理等の仕事を継続してもらおうと思っているんだが、どうだろうか?」
近藤の提案を聞いた隊士達は、ざわめく。その様子を見て土方は思った。
(土方:…隊士達が動揺してやがる…まぁ無理もねぇか。都合のいい時だけ隊士面されて、都合が悪くなりゃ女って事で逃げられちゃ適わねぇからな…。)
土方は少し考え、自分の意見を頭の中でまとめた上で近藤の意見を批判した。
土方「近藤さん、そりゃ聞き入れられねぇ相談だ。」
近藤「何故だ、トシ。」
土方「今の時代、そんな事言ってちゃ男女差別だなんだと訴えられるぜ。総合職に転身、真選組隊士となったからにゃあ俺ァ女だからって容赦するつもりはねぇ。隊士としての仕事を全うしてもらう。」
土方の意見を聞いた隊士達は、口を噤んで、土方の方を見つめた。そして、隊士の一人が挙手した。
「副長!」
土方「なんだ。」
挙手した隊士は立ち上がり、土方を睨みつける。
(土方:これでも納得いかねぇか…。)
隊士達の意見を尊重してまとめたつもりだが、納得いかないのだろうか、そう思った土方は次なる案を頭の中に巡らせた。