第14章 人の話は最後までちゃんと聞くこと。
近藤「葵咲ちゃん…いや、葵咲の想いがあったからこそだと俺も思っている。勿論、俺だけじゃない。隊士の皆、誰もが思っていることだ。これは会議でもう決まったことなんだ。」
総悟「葵咲姉ぇは一番隊の配属になりやした。」
近藤「ま、葵咲は女の子だからあまり危険な任務には就かせられないがな。」
総悟「俺の隊ですぜ?俺が護るから大丈夫でさァ。」
葵咲「近藤さん…。そーちゃん・・・・。」
楽しそうに話す二人を見て、複雑そうな表情を浮かべる葵咲。そんな葵咲の心情には気付かず、近藤は話を続ける。
近藤「今日から仕事中は局長と呼べ。」
総悟「俺は今のままがいいでさァ。」
近藤「…やっぱ『勲さん』にしてもらおうかな。」
土方「任務遂行中は控えろ。士気が下がる。」
その場にいる皆でそんなやり取りをしていると、近藤の携帯電話が鳴った。
近藤「はい、もしもし…あ、とっつァん。ああ、見つかったよ。ああ、ちょっと待ってくれ。葵咲、松平のとっつァん、警察庁長官だ。」
葵咲「えっ!?」
突然の警察庁長官からの電話にあたふたする葵咲。近藤は他の皆にも聞こえるよう携帯電話のスピーカー機能をオンにし、葵咲に渡した。
葵咲「…も、もしもし。市村葵咲です。」
松平「おめぇが市村葵咲、かァ。」
葵咲「は、はい。真選組の皆さんには…その、勘定方、女中として先日からお世話になってました。ご挨拶が大変遅くなりまして申し訳ございません。」
松平「まったくだ。おじさんはねェ、女の子と喋るのが好きなのよぅ。もっと早くに喋りたかったぜ。」
銀時「だったらキャバクラにでも行ってろよ。」
新八「ちょ、銀さん!これスピーカーですから!向こうにも聞こえちゃいますよ!」
スピーカー機能の為、丸聞こえの会話内容に銀時は思わずツッコむ。しかしそのツッコミが相手に聞こえているのではと思って焦った新八は、すかさず銀時にツッコんだ。