第14章 人の話は最後までちゃんと聞くこと。

銀時「…本当に、それだけか？」

土方「あん？」

銀時「あいつを見つけ出さなきゃいけねぇ理由、まだあんじゃねぇのか？」

土方「・・・・・。」


意味深な銀時の台詞に、土方は何らかの意図を読み取ったようだが、敢えて何も言わなかった。


銀時「まぁいい。…で？それで丸く治まったってのか？あいつをクビにして、あいつを吊るし上げて。」

土方「馬鹿言ってんじゃねぇよ。んな事するわけねぇだろ。間者洗い出して、そいつらを切腹させた。他の隊士どもにも説明済みだ。俺に知れる前に近藤さんと山崎がな。」

銀時「退職願を受け取ったのはゴリラか？」

土方「ああ。」

銀時「ならなんで出された時あいつを止めなかったんだよ。」

土方「止めたに決まってんだろうが。一件の事も隊士の誰もが市村を咎める事はしねぇってな。だが厠にと席を立って、そのまま居なくなったんだそうだ。」

銀時「・・・・・。」


土方の説明を聞いた銀時は何かを考え込むように、黙り込んだ。その様子に疑問を感じた土方は、銀時に問いかけた。


土方「どうかしたか？」

銀時「いや…。なんでもねぇ。」

土方「とにかく、こんな辞め方は俺が許さねぇ。」

銀時「・・・・・。」