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銀魂 - 雪月花 -

第14章 人の話は最後までちゃんと聞くこと。


一方その頃、土方と対峙していたはずの銀時は、土方と共に葵咲を探す為に歌舞伎町を走り回っていた。
土方は葵咲を一緒に探すという条件で、銀時に事情を説明する事にしたのだ。


銀時「つまり、あいつはお前を処罰なしで隊に戻す為に?」

土方「…ああ、そうだ。」


事のあらましはこうだ。伊東の抗争以降も、真選組隊内には伊東派の残党と思われる間者がまだ隊の中に残っていたのだ。間者は土方を失墜させるべく、その後も水面下で動いていたという。

水面下での動きというのは、先日の一件は伊東の各策ではなく、土方がおかしくなったせいで起こったのだと他の隊士達に吹き込み回るというもの。再び内部から真選組を攪乱させ、崩壊を図ろうとしたらしい。
確かに真選組の動乱は土方が最終的には片付けたのだが、信用を失墜させたのも事実だ。土方が妖刀に取り付かれていた事を知っているのは隊の中でも一部の人間のみ。この事実を知らない隊士はその間者に吹き込まれたことを鵜呑みにし、疑心を膨らませてしまったというわけだ。

疑心に溢れた真選組隊内では、土方の失脚を希望する話まで浮上した。失脚せずとも、何らかの処罰を与えて欲しいという願いもあったそうだ。
そしてそれを知った葵咲はあの一件で土方がおかしくなっていたのは自分のせいにすれば良いと、提案したとのことだった。


銀時「・・・・・。」

土方「今回の件で自分は出すぎた真似をした、と。俺の件がなくても、そのけじめをつける為に退職願を出すつもりだったらしい。どうせ辞めるなら何かを護って辞めたい、そう言ったそうだ。」


土方の話では、葵咲は自分が処分される身である事に変わりはないから、自分と土方の二人が処罰されるのなら、自分一人がすべての罪を被って処罰された方が犠牲も少なく、平和に治まると考えたのだろう、とのことだ。
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