第13章 人生はRPGみたいなもの。
神楽「心配いらないネ!ちゃんと負傷者に使ったアル!」
新八「負傷者って…僕も神楽ちゃんも葵咲さんも、誰も怪我していないじゃないか。」
神楽はそう言うが、仲間内に負傷者など見当たらない。新八は顎に手を当てながらその疑問を口にした。その時、目に攻撃を食らったはずの二人の隊士達が立ち上がったのだった。
「なんだ?力が漲ってきたぞ…!」
新八「って敵に使ったんかいィィィィィ!!」
神楽「目がフレアは可哀想だったアル。」
新八「敵に同情して使ってたら一生クリア出来ないよ!!」
神楽「心配いらないネ!あれはただのエリクサーじゃないアル!」
新八「ただのエリクサーじゃないって…。」
神楽の言っている意味が分からず、新八は怪訝な顔をする。そして立ち上がった隊士達は自らの異状に気付き、声を上げた。
「ん?なんだ?…襟臭っ!!」
新八「『エリクサー』って『襟臭ぁ~』の事ォォォ!?しょーもないアイテム作ってんじゃねーよ!!」
立ち上がった隊士達を見て、葵咲がまたコマンドを開いた。
葵咲「『コマンド…
⇒仲間にする 』」
新八「今更仲間に出来るわけねぇだろ!アンタ元々仲間だったのに今追われてんだろーが!!」
回復してしまった隊士達は三人に向かってきた。それを神楽が制するように立ち向かっていった。
神楽「ここは私が食い止めるアル!二人は早く逃げるネ!!」
新八「分かった!!」
葵咲「『コマンド・・・・』」
神楽を一人置いて行けないと思った葵咲は、先程のようにコマンドを開こうとしたが、新八に止められた。そして新八は葵咲の手を引き、駆け出した。
新八「もういいっつってんだろうがァァァ!!」
葵咲「神楽ちゃん!有難う!!」
葵咲の呼びかけに対して、神楽はにっと笑って見せた。
新八と葵咲は、歌舞伎町の通りを走りぬける。その様子を民家の屋根に座って見下ろす男の姿があった。
謎の男「あ~あ。何やってんだよ。つまんねぇなァ~。」
その姿はピアスを多数開けた、黒髪に金メッシュ、全身黒づくめといった風貌。先日攘夷浪士との戦闘の際に葵咲が遭遇した男だった。