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銀魂 - 雪月花 -

第125章 好きな人とのデートは上手くいかない。


転んだこと自体は大した事なかった。葵咲自身、大きな怪我はしていない様子。だが葵咲は数々の失態に自分が情けなくなってしまい、俯いた状態から立ち上がれずにいた。


(葵咲:なんで私ばっかり、こんな目に?私、恰好悪すぎる…。)


好きな人の前では可愛く、格好良い自分でいたいもの。それが、あろう事か失態ばかり。顔を上げれば涙が込み上げてきそうだった。
友人(妙)の気持ちを無視して、想い人(土方)との初めての年越しイベントに浮かれてしまった罰が当たったのだろうか、そんな事を考える。


近藤「葵咲、大丈…。」


立ち上がらない葵咲を前に、いたたまれない気持ちになった近藤が手を差し伸べようとする。だがそれを止めるように、土方が近藤の前にスッと手を挙げ、割って入った。


近藤「!」


土方は何も言わずに葵咲を抱え上げる。


葵咲「えっ!?ちょ、ひ、土方さん!?」


突然のお姫様抱っこに、先程までの泣きそうな顔は吹っ飛んだ。狼狽する葵咲に、土方は至って冷静な返しをする。


土方「医務室行くぞ。」

葵咲「えっ!?いや、そんな大層なものじゃ…。それに私、今濡れてる…。」

土方「足、くじいちまってる可能性があんだろ。濡れてんのも早く乾かさねぇと風邪ひくだろうが。」

葵咲「っ!」


土方の言う事は、ごもっともである。年の暮れの寒い時期、濡れた状態のまま放置すれば体調を崩しかねない。それには葵咲も返す言葉がなかった。

近藤達から離れていく葵咲と土方を見た一郎兵衛は何処か諦めた様子で、だが温かい表情を浮かべてフッと笑みを漏らした。


総悟「二人になった今なら、もうワンチャン…。」

一郎「もういいだろ。無駄だ、帰るぞ。」

総悟「ちょ!」


あの様子の二人を見てもまだ諦めないのか。今度は呆れた表情に変えて、一郎兵衛は総悟の首根っこを掴む。総悟を引き連れ、ズルズルと引き摺りながらその場を後にした。
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