第115章 スタンドの第六感は当たる。

新八達が帰還し、少し落ち着いた頃合い。
進行役を務めるレイは何かを感じ取り、旧館内の方をじっと見やる。


レイ「・・・・？」

葵咲「どうかしました？」


訝しげな顔を浮かべるレイが気になり、声を掛ける葵咲。少しの間、レイは旧館内を眺めていた。だが眉根を寄せながら小首を傾げ、そして首を横に振って葵咲へと向き直る。


レイ「何か嫌な悪寒が…。気のせい？だったのかしら…。」

銀時「スタンドが悪寒とかすんの。」


スタンドが悪寒という感覚を持ち合わせているものなのか？むしろ悪寒の根源では？素朴な疑問を口に出す銀時だったが、レイはそれを無視して肝試しを進める。


レイ「じゃあ次にいきましょう。」

松本・ヅラ子「・・・・・。」


十番目のペアはヅラ子と松本。平然とした態度で挑もうとするヅラ子に、その正体に気付く松本は眉根を寄せる。そして松本は小声でヅラ子へと尋ねた。


松本「あの…桂さん、ですよね？」

ヅラ子「桂じゃない、ヅラ子だ。」


あくまでヅラ子と言い張る桂。そんな桂にはこれ以上押し問答を繰り広げても無駄だと悟り、松本は一つため息を吐く。そしていつもの真面目な表情へと戻した後、チラリと葵咲や土方の方を一瞥し、他の面子には聞こえない程度の声でヅラ子へと言葉を投げた。


松本「まぁ良いです。貴方と少し話したい事もありますので。」

ヅラ子「？」


意味深な言葉を残す松本。桂はそんな松本に気になるものを抱きつつ、二人は出発した。