第114章 誰にでも優しいより自分だけに優しい方が特別感が増す。
一方その頃、先に出発した近藤達。近藤は暗闇の中でもその研ぎ澄まされた感覚で、いち早く妙の気配を察知した。
近藤「来た!お妙さんだ!!」
猿飛「ちょっと、アンタに付き合ってあげたんだから、私の方も後で付き合いなさいよ!?」
旧舘に入った当初は、それぞれ自分たちが決めたポイントで待機して事に当たるつもりだったのだが、思いの他スタンド達も多く、一人で待機するには恐ろしい館内だった為、二人は一緒に待つ事にしたのだった。
猿飛からの懇願に近藤は『はいはい。』と軽くあしらう。今は妙が優先だ。妙の姿を捉えた近藤は、彼女の胸へと飛び込もうとする。
だがその時、スタンド達の動きが変わった。一瞬ピタッと止まったかと思うと、オォォォン!と悪霊の雄叫びのような声を上げ始めた。
妙「きゃっ!何!?」
近藤「お妙さァァァァァん!貴方の勲が助けに…」
これはまたとないチャンス!天は自分を味方してくれたのか、スタンドから身を護る華麗なヒーロー参上。そんなシナリオを思い描いてダイブする近藤だったが、妙の間合いに入ったと同時に、妙は近藤を交わしてガシッと彼の足首を掴んだ。
近藤「…え?」