第114章 誰にでも優しいより自分だけに優しい方が特別感が増す。
そして山崎&たまのペアがスタート。東城の怪我はスタンドによる直接的なものではなかったとは言え、東城がビビる程のもの。
いざ出発してみるとかなり怖い。そこかしこにスタンドがおり、時々脅かしてくる。自然と背筋が冷たくなってきた。
ビクビクしながら歩いていると、それに気付いたたまが山崎の顔を覗き込んだ。
たま「山崎さんも怖い、ですか?」
山崎「えっ!たまさんも!?」
“山崎さんも”というフレーズに反応する山崎。もしやたまも怖いのだろうか?これは手を握るチャンスか?そう思い、期待に胸を膨らませて言葉を返す山崎。
だがたまは至って変わらぬ態度で首を横に振る。
たま「いえ。からくりに怖いという感情はありません。」
山崎「あ、そ、そうですよね。」
言われてみれば確かにそうだろう。山崎は小さく肩を落とす。そしてたまは前を見据えながら続ける。
たま「銀時様がこういうのは苦手な様子でしたので。」
山崎「あ~…。」
先程の“も”は銀時に掛かっていた事に気付く。そういえば万事屋の旦那は赤い着物の女の時もそうだったっけ。そんな事を思い出した。
小さくため息を吐き出す山崎に、たまは続けて言葉を投げた。
たま「もし山崎さんも苦手という事でしたら、手を繋ぎますか?」
山崎「!!!???」
まさかたまの方からそんな言葉を掛けて貰えるなんて!夢でも見ているのだろうか。山崎の中のスタンドに怯える気持ちは吹っ飛ぶ。すぐさま手を繋ぐと答えようとした山崎だったが、ここでふと別の余念が頭を過る。
(山崎:これはどっちが正解だ?もしかして俺、試されてる?侍として、いや、男として情けない姿を見せたら幻滅されるかも…。けど、けど…!)