第114章 誰にでも優しいより自分だけに優しい方が特別感が増す。
- 十分後 -
次なるペアは、先程一郎兵衛とくじを交換した新八と妙。妙は新八へとにっこり語り掛ける。
妙「次は私達ね、新ちゃん。」
新八「はい!」
そんな二人を生温かい目で見守っているのは銀時。銀時は片眉を上げながら新八へと言葉を吐露した。
銀時「お前どんだけミラクル八位なんだよ。今回も八番目じゃねーか。」
そう、人気投票では新八は三回連続ミラクル八位(コミック第46巻時点)。その事について指摘したのである。だがそれに対して新八は反論を述べる。
新八「いや、今回元々は六番でしたからね?」
銀時「それでも結局落とすところ八番だろ?もう宿命だよ。八からは逃れられない運命なんだよ。」
これにはぐうの音も出ない。新八は返す言葉なく、妙と肝試しに出発した。
少し歩いた頃合いで、妙はクスッと笑って言葉を漏らす。
妙「一郎兵衛さんには悪いけど、相手が新ちゃんで良かったわ。」
新八「え?」
妙「こうして姉弟水入らずの時間を貰えたんですもの。最高の温泉旅行になったわね。」
新八「…はい!」
姉大好きの新八にとっては、肝試しを一緒に回れるだけでも最高の旅。しかも妙も同じ感想を抱いてくれていたのだから尚更だ。新八は満面の笑みを浮かべてサクサクと歩き進んだ。