第114章 誰にでも優しいより自分だけに優しい方が特別感が増す。
- 十分後 -
レイ「じゃあ次…。」
レイが呼び掛けるよりも先に、次のペアが前へと進み出る。
近藤・猿飛「・・・・・。」
無言で一歩前に出る二人には、ゴォォォッという効果音がよく似合う。まるで戦場に出向くような形相の二人を見て、ボソリと呟くのは銀時だ。
銀時「何?あいつら。なんであんな真剣なの。逆に不気味なんだけど。」
新八「何事も無ければ良いですけど。」
別にスタンドが苦手というわけでもない二人。勿論、二人がペアになって喜んでいる事もない。この場には似つかわしくない様子の二人に、新八もまた、その意図を疑う。
無言で館内へと消えゆく二人。少し進んだところで、二人は前を見据えながら真剣な眼差しで言葉を交わす。
猿飛「私達の目的は…分かってるわね?」
近藤「ああ。ここはもう協力するしかねぇ。」
猿飛「幸い、私達が先に出発。」
近藤「二人で…」
猿飛「銀さんが来るのを待ち伏せるしかない…!!」
近藤「お妙さんが来るのを待ち伏せるしかねぇ…!!」
愛しの銀時や妙とペアになれなかった二人は、すぐさま頭を切り替えた。幸い、二人とも目的は同じ。ここは結託するのがベストと判断したのだ。
二人の計画は、先に館内へと入った事を吉として隠れられるスペースを探す。そして目標対象を見付けてすぐさま尾行。
近藤の場合は妙が悲鳴を上げたと同時に颯爽と駆け付ける。猿飛の場合は、銀時の姿を見付けたと同時に自らのピンチを装い、悲鳴を上げて助けてもらう、もしくは近藤と同じく銀時のピンチに駆け付けるというものである。
二人は顔を見合わせ、頷き合った。
猿飛「そうと決まれば、より良いポジション探しするわよ。」
近藤「おう。」